カメラがとらえた決定的瞬間 - 「キモかっこいい」オオハサミムシの捕食シーン
当研究所では,文化昆虫学の研究の一環として,特定の昆虫の標本収集や生態観察をおこなっている.今回は,当ブログで度々登場するオオハサミムシの生態の一知見(飼育観察記録)について紹介する.
わたしは,オオハサミムシを飼育するにあたって,熱帯魚の飼料をエサとして用いていた.はじめは,オオハサミムシもよく食していたが,やがてほとんど口にしなくなった.はて,どうしたものかと考えた末に思い立ったのがミルワームであった.試しにミルワームを一匹エサに与えてみたところ,オオハサミムシはすぐに食らいついた.そして,あっという間にたいらげてしまったのだ(ちなみに,同じくハマベハサミムシにもミルワームを与えてみたが,それほど食いつきはよくなかった).というわけで,ミルワームをオオハサミムシのエサとして採用することにした.
ミルワームをエサに使うことで,念願のオオハサミムシの捕食シーンをじっくりと観察することもできた.さて,みなさんはハサミムシについてひとつ疑問に思うことがあるのではないだろうか?そう,「ハサミムシの尾部についているハサミは何につかうのか?」である.実は・・・,このハサミは捕食の際にちゃんと機能するのである.
6月某日 - わたしは,オオハサミムシの捕食シーンの決定的瞬間を写真にとらえることに成功した.以下に,その「キモかっこいい」オオハサミムシの写真を紹介したいと思う.
まずは,基本形.
ミルワームをハサミでおさえながら,からだを曲げて摂食する.個人的には,ウロボロスのようでかっこいいと思うが,体勢的にかなり無理をしているようにも見える.どうして,このようなハサミムシの形態と行動が進化したのだろうか?
獲物を持ち運ぶとき.
これは便利そうだ.
獲物が弱りきったら・・・
ハサミはもう使わない.
(所 長:アベ・サダ)