ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (12) あぶない水着

ひとは

 かわいくてきれいな

   こんちゅうをそうぞうする


 妄想昆虫採集とは - 昆虫(ムシ)たちをモチーフに,ひとびとの創造あるいは妄想によって生み出された生き物たち,すなわち「妄想昆虫(※)」を採集・目撃観察するという試みです.「妄想昆虫」は,ひとびとの心(観念)という「選択圧」によって独自の「進化(妄想進化)」をとげ,衣類の上や商品のパッケージなど,実にさまざまな場所に「適応放散」しています.さあ,一緒に「妄想昆虫」をさがしてみましょう.地道な「妄想昆虫」の採集・観察活動は,文化昆虫学の研究をすすめていく上で,新たなインスピレーションをあたえてくれることでしょう.

※ 「妄想昆虫」「妄想進化」は,当ブログ用にわたしが作った造語です.ご注意下さい.


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 テントウムシは,もっとも普通に見られる妄想昆虫の一種です.私は,これまでに見てきた「妄想テントウ」のほとんどが赤と黒を基調としていることなどから,そのモデルはナナホシテントウではないかと推測しています.当研究所では,その推測(仮説)が正しいかどうかを調べるために,様々な生息環境に適応した妄想テントウの種類相を調査しています.


 さて今回は,見た瞬間に衝撃をうけたテントウムシ・グッズを紹介したいと思います.

 題して,「あぶない水着」です.

 赤と黒を基調としたお決まりのパターンのテントウムシたちが,若い女性が身につけるかわいらしい水着に群れています.いや,よく見るとムーアシロホシテントウみたいな色の種類も混じっています.おもしろいのは,テントウムシの斑紋が左右対称ではないことと,斑紋の数にばらつきがあることでしょうか?人は,大抵昆虫の群れるさまを嫌いますが,肌に直接身につける水着でも女性に容認されるのは,テントウムシならではなのでしょう.ちなみに,この水着を確認したのは大阪市の中心街にある若者が集まるショッピング・モールでした.

 わたしは,人間社会におけるテントウムシの文化的適応能力の高さを再確認しました.

 昆虫愛好家の男子は,きっとこんな水着を着用してくれる彼女がほしいのではないでしょうか?

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 妄想昆虫の採集・観察記録を蓄積することは,「どのような種類の昆虫が,どのような文化メディアで用いられているのか?」という文化昆虫学における根本的な問題を解明するために,大変重要なことだと思われます.あなたも,わたしたちと一緒に,「妄想昆虫」を採集しませんか?

 求!情報!



(研究員 / 普及員:ツマキ・マツキチ)


※妄想昆虫採集に関する詳細は,以下をご確認ください.

[妄想昆虫について]

  ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (1)

[妄想進化について]

  ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (2)