ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (11) メガネ屋のショー・ウィンドウにひらりと舞うチョウ

ひとは

 かわいくてきれいな

   こんちゅうをそうぞうする


 妄想昆虫採集とは - 昆虫(ムシ)たちをモチーフに,ひとびとの創造あるいは妄想によって生み出された生き物たち,すなわち「妄想昆虫(※)」を採集・目撃観察するという試みです.「妄想昆虫」は,ひとびとの心(観念)という「選択圧」によって独自の「進化(妄想進化)」をとげ,衣類の上や商品のパッケージなど,実にさまざまな場所に「適応放散」しています.さあ,一緒に「妄想昆虫」をさがしてみましょう.地道な「妄想昆虫」の採集・観察活動は,文化昆虫学の研究をすすめていく上で,新たなインスピレーションをあたえてくれることでしょう.

※ 「妄想昆虫」「妄想進化」は,当ブログ用にわたしが作った造語です.ご注意下さい.


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 4月某日.

 大阪のM商店街を散策中に,初蝶を観察しました.といっても,現実のチョウではありません.商店街のメガネ屋のショー・ウィンドウに,チョウの模型がディスプレイとして飾られていたのです.

 形態的には,なんとなくシロチョウの仲間がモチーフのように思えますが,色彩的には桃色の翅をもったシロチョウというのは自然にはあまりいないタイプのような気がします.チョウの翅を桃色にすることで,かわいらしさを強調しているのかも知れません.そんな色彩において妄想進化したと思われれるチョウが,お花畑(菜の花畑?)を優雅に飛んでいます.どことなく,春の暖かみを感じさせてくれます.

 何故,メガネ屋にチョウがディスプレイに使われているのかが少し不思議な気がしますが,これは逆に言うとチョウの社会的適応能力の高さを物語っているように思います.

 このように,妄想昆虫採集はグッズの収集にとどまらず,いわゆる「路上観察」によっても発見されることがあります.単なる買い物や散歩をする際にも,カメラは手放すことはできません.たまには,網をもって本物の昆虫を追いかけたくなりますが,このように町中での妄想昆虫採集もまた楽しいものです.


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 妄想昆虫の採集・観察記録を蓄積することは,「どのような種類の昆虫が,どのような文化メディアで用いられているのか?」という文化昆虫学における根本的な問題を解明するために,大変重要なことだと思われます.あなたも,わたしたちと一緒に,「妄想昆虫」を採集しませんか?

 求!情報!



(研究員 / 普及員:ツマキ・マツキチ)


※妄想昆虫採集に関する詳細は,以下をご確認ください.

[妄想昆虫について]

  ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (1)

[妄想進化について]

  ぼくらの妄想昆虫採集記 [文化昆虫学フィールド・レポート] (2)