甲虫目を家の装飾に用いる鳥 - ニワシドリ


 わたしは,昆虫の中でも甲虫目が一番好きである.甲虫目は生物のなかで最も種類が多く,その形態や生態の多様性も非常に高い.そんな甲虫目のなかには,金属光沢をもつ美しい種類もいて,特にそういう種類は文化的に装飾品や工芸品の材料に使われたりするようである.これは文化昆虫学的にも注目されているトピックのひとつである.



 そういえばつい先日のことだが,装飾に甲虫を利用する生物が人間だけではないことを知った.わたしは,たまたまあるテレビ番組をみたのだが,そこでニワシドリという鳥が紹介された.その番組では,ニワシドリの雄が雌をよびこむために建造物(東屋)を作り,そのまわりを花で装飾するのだということが紹介されていた.が,よくみるとその巣のまわりには花だけでなく,おびただしい数の甲虫の鞘翅もまた飾られていたのだ.なお,この番組で紹介されていたニワシドリが建造物に飾っていた甲虫目の鞘翅は,1種類であり金属色ではなかったようにみえた.

 ニワシドリについて簡単に調べてみた - ニワシドリは、オーストラリアとニューギニアに約20種が生息している.この鳥の雄が作る建造物は,「バワー」と呼ばれ,それをつくるためにいろんな材料が使われる.鳥の羽やカタツムリの殻,セミの抜け殻などがパワーの装飾品となるようである.



 最近,当研究所広報部イシダと総務部オオミヤの目が険しい.何かあったのだろうか?



(研究主幹:シラトリ・ヨシエ)